実践ガイド
Gemini Omniプロンプトの書き方
うまくいく書き方、失敗しやすい条件、避けたい指定をまとめた実践ガイドです。DeepMindの公式プロンプトガイドに加え、PixVerse、Atlas Cloud、Chrome Unboxedの検証と、MediumのGemini Omni Prompt Playbookをもとにしています。
直近30日間の変更
公開後の主な変更を日付順にまとめました。新たな動きがあるたびに更新します。
- 2026-05-19 — Gemini Omni FlashがGoogle I/O 2026で公開されました。DeepMindもモデルカード🟢を公開。同日、世界各地のAI Plus / Pro / Ultra契約者向けにGeminiアプリとGoogle Flowで提供を開始しました。YouTube Shorts / YouTube Create Appでは18歳以上が無料で利用できます。開発者・企業向けAPIは「今後数週間以内」と予告されました。(出典:blog.google🟢)
- 2026-05-19 — GoogleがAIサブスクリプションの料金を改定。Plusは$7.99、Proは$19.99、新設の制作者向けUltraは$99.99、既存のUltraは$250から$200に値下げされました。(出典:Google Oneのサブスクリプション発表記事🟢)
- 2026-05-19~20 — 有料会員向けにAvatars機能の提供を開始。18歳以上が対象で、EEA・スイス・英国では利用できません。(出典:Google Gemini Avatarヘルプ🟢)
- 2026-05-20 — 無害なプロンプトが「ポリシー違反」と誤判定される事例が、コミュニティから多数報告されました。Googleの副社長Josh Woodward氏は問題を認め、調査中と説明しています。2026-05-29時点では、修正の発表はありません。詳しくは下記の「2つの不具合」をご覧ください。
- 2026-05-28 — Woodward氏が、これとは別の不具合(計算資源・利用枠の計上)の修正を発表しました。失敗したリクエストが利用枠に計上されなくなり、AI UltraのOmni利用枠は2倍、Gemini 3.1 Flash-Liteのプロンプトは無料になりました。Proには1回のプロンプトで消費する利用枠の上限が設けられました。(出典:9to5Google 🟡、 The Hans India🟡)
出典区分:🟢 Google・DeepMindの公式情報 · 🟡 信頼できる実機検証・報道 · 🔴 未検証
Gemini Omni Flashの利用条件と料金
プラン別の利用条件(I/O 2026後の改定内容)
| プラン | 月額料金 | Omniで利用できる内容 |
|---|---|---|
| Google AI Plus | $7.99 | GeminiアプリとGoogle FlowでOmni Flashを利用可能 |
| Google AI Pro | $19.99 | 利用枠が拡大。1回ごとの消費上限あり(5月28日の更新以降) |
| 新設Ultra(制作者向け) | $99.99 | Proの5倍の利用枠、20TBのストレージ、YouTube Premium付き |
| 既存のUltra | $200(旧料金$250) | Proの20倍の利用枠、12,500 AIクレジット、Project Genie / Mariner |
| 無料で利用 | $0 | YouTube ShortsとYouTube Create App(18歳以上、一部制限あり) |
出典:Google OneのAIサブスクリプション発表記事 🟢。
生成1回あたりのクレジット数(未確定)
Google Flow内のOmni Flashについて、Googleは生成1回あたりの消費クレジット数を公表していません。2026-05-29時点で確認できる情報は次のとおりです。
- 当サイトの検証(Cited、2026-05-28):16:9の10秒動画を新規生成すると30クレジットを消費しました。同じ動画を対話で1回編集すると40クレジットを消費し、新規生成より33%多くかかりました。🟡
- WaveSpeedの公開時の記事では、4秒動画の新規生成は15クレジット、編集は40クレジットと報告されています。生成時の数値は異なりますが、編集時は一致しています。短い動画ほど安い可能性も、その後に料金が変わった可能性もあります。🟡
- Googleの公式情報で確認できるのは、既存のUltraに毎月12,500 AIクレジットが含まれることだけです。クレジットが共通の消費単位であることはわかりますが、Omniの1回あたりの消費量は公式には示されていません。
使う際の判断の目安:思いどおりの動画にならなかった場合は、編集より新規生成をおすすめします。編集はクレジットを多く消費するうえ、元の動画と見た目がほとんど変わらないこともよくあります。
利用できる場所
- Geminiアプリ — 主な利用画面です。有料AIプランが必要です。
- Google Flow(labs.google/flow)— タイムラインと対話による編集を備えた制作環境です。
- YouTube Shorts / YouTube Create App — 18歳以上はOmni Flashを無料で利用できます。
- 開発者・企業向けAPI — 公開日(2026-05-19)には「今後数週間以内」と予告されましたが、2026-05-29時点では一般提供されていません。
プロンプトの基本構成
うまくいくGemini Omniプロンプトの多くは、次の構成になっています。
[Subject] + [Action] + [Setting] + [Camera] + [Lighting] + [Style] プロンプト例:"A red panda chef tossing pizza dough, in a cozy mountain kitchen, low-angle close-up, warm tungsten light, Pixar-style 3D animation"。
基本はSoraやVeoのプロンプトと同じですが、Omniには、ほかの多くのモデルにはない2つの要素があります。
- 「
@username」で人物を呼び出す構文(Avatar機能用) - 対話を重ねて動画を編集する仕組み(プロンプト例:「now change X, keep Y identical」)
最初の1文で条件を決める
冒頭で、長さ・画面比率・ワンカットの3点を指定します。
Create a [duration]-second [aspect-ratio] [genre] video in one continuous shot. 理由:Omniは「one continuous shot」を「カットを割らない」という指示として受け取り、冒頭で指定した長さと画面比率もそのまま守ります。こうした条件は、メタデータに入れるより文章の中で指定するほうが確実に伝わります。
Omniに伝わるカメラ用語
DeepMindのプロンプトガイドでは、次の表現を解釈できるとしています。
カメラの動きを表す言葉
- 寄り(push):push in / punch in / dolly zoom
- 引き・上下への移動(pull):pull-back / pull-up / pull-down
- 隠れていた景色を見せる(reveal):ascend revealing / pull-back and rotate
- 回り込み(orbit):orbit around / sweep around / circle
- パン・ティルト(pan / vertical pan):pan left / pan right / vertical pan
- 固定・ワンカット(static / continuous shot):locked off / fixed / oner / continuous shot
映像の質感を指定する言葉
- スマートフォンらしい自然なズーム(natural smartphone zoom)
- フィルム撮影風。暖かい色味とわずかな粒状感(film camera)
- ウェブカメラ風。圧縮感があり、少し柔らかな画質(webcam style)
- 手持ち撮影風。細かな自然な揺れ(handheld)
用途別におすすめの動画の長さ
| 用途 | おすすめの長さ | 画面比率 |
|---|---|---|
| 雰囲気重視・映画風 | 8–10秒 | 16:9または2.39:1 |
| 商品を主役にした映像 | 6–8秒 | 1:1または16:9 |
| Reels / TikTok / Shorts | 5–7秒 | 9:16 |
| スローモーションで見せ場を強調 | 5–6秒 | 1:1または16:9 |
| タイムラプス | 10秒(上限) | 16:9 |
| Avatarがカメラに向かって話す映像 | 10秒(上限) | 16:9または9:16 |
Gemini Omni Flashで生成できる動画は、1本につき最大10秒です。出典:TechCrunchの公開時の記事。
「Keep X identical」で変えない要素を固定する
Omniの看板機能である対話による編集では、追加の指示を出すたびに、変えずに残したい要素を明記します。基本形は次のとおりです。
[Change instruction]. Keep [X, Y, Z] exactly the same. この指定がないと、1つの要素だけを変えたい場合でも、シーン全体の見た目が変わることがあります。それでは対話による編集の利点である一貫性が失われます。(出典:Atlas Cloudの実機検証)
動作をきっかけに変化させる書き方(VFX)
Omniが得意とする書き方の1つです。腕の鏡面化、泡の彫刻、折り紙の船など、Googleの話題となったデモでも使われています。
[Base scene]. When [specific trigger action], [specific transformation]. Keep [list] identical. プロンプト例:"A woman reaches toward a mirror. When her fingertips touch the glass, make the mirror ripple like liquid and her arm turn to reflective mirror material. Keep the parlor and lighting identical."
プロンプトが拒否されるときに区別したい2つの不具合
公開以来、「Gemini Omniにプロンプトを拒否された」という報告には、まったく異なる2つの不具合が混在しています。この取り違えが、コミュニティで混乱を招く大きな原因になっています。
不具合A:ポリシー違反の誤判定(2026-05-29時点で未解決)
Omniが明らかに無害なプロンプト(Cat walks between rabbits、Change the background to night)を「この動画は生成できません」「ポリシー違反」といった一般的なメッセージで拒否する問題です。実際には違反がないにもかかわらず、2026-05-19以降、多数報告されています。Google副社長のJosh Woodward氏も公に問題を認め、調査と事例収集を進めていると説明しました。このページの更新時点(2026-05-29)では、修正は発表されていません。Google AI Developers Forum🟡には、新たな事例が引き続き投稿されています。実際のポリシー制限とこの不具合の違いは、不具合Aの詳しい解説をご覧ください。
不具合B:利用枠の誤計上(2026-05-28に修正)
こちらはポリシー違反の判定とは別の、課金に関する不具合です。動画生成に失敗しても、不具合Aによる拒否を含めて利用枠が差し引かれていました。2026-05-28にWoodward氏は次の変更を発表しました。
- 失敗したリクエストは利用枠に計上しません。
- AI UltraのOmni利用枠を2倍に拡大。
- Gemini 3.1 Flash-Liteのプロンプトを完全無料化。
- Proでは1回のプロンプトで消費する利用枠に上限を設定し、過度な消費を防ぎます。
出典:9to5Google 🟡。
どちらの不具合か見分けるには
- 明らかに無害なプロンプトに対し「ポリシー違反」「この動画は生成できません」と表示される場合 →不具合Aです。不具合が原因なので、10回も書き直す必要はありません。時間を置いて試すか、表現を少し変えてみてください。
- 生成に失敗した、または拒否されたのに利用枠が減る場合 →不具合Bです。修正済みのはずなので、引き続き発生する場合はリクエストIDを添えてGoogleサポートに連絡してください。
既知の弱点(隠さずに書きます)
以下の点は、DeepMind自身のモデルカードに「既知の制限」🟢として明記されています。つまり、これらにぶつかったときは書き方の問題ではなく、モデルの限界です。
文字の描写
ラベル、看板、字幕、ブランドロゴなど、画面内の文字は崩れます。プロンプトでは文字の重ね表示に触れないようにしましょう。検証:PixVerseの実機レビュー。
手指の細かな動き
物を持つ手、手話、タイピングなど、細かな手指の動きは崩れやすい部分です。可能なら手が目立たない構図にするか、多少の不自然さを見込んでおきます。
複数カットでの人物の一貫性
Atlas Cloudの複数回編集レビューでは、4カット以上での人物の一貫性は3/5と評価されています。参照画像と@character_nameを併用すると安定しやすくなりますが、4カットを超えると見た目が変わることを見込んでください。
複雑な動き
digit.inの検証によると、ダンス、体操、楽器演奏などの複雑な動きでは、静かな場面よりAI特有の不自然さが出やすくなります。歩く、立つ、話すといった単純な動作が得意です。
50語を超えるプロンプト
Seaartの分析では、およそ50語を超えると指示の焦点がぼやけ、画質が落ちるとされています。具体的に、かつ簡潔に書きましょう。
避けたい書き方
- Veoのように形容詞を重ねすぎない — DeepMindは、OmniではVeoほど細かく指定する必要はないと説明しています。型に詰め込むより、自然な文章で伝えましょう。
- 1回の指示で複数の要素を変えない — 指示を分けて、順番に編集します。
- 著作権で保護された作品などを名指ししない — 「Studio Ghibli style」にはリスクがあります。「hand-painted watercolor animation」のように表現の特徴を指定するほうが安全です。
- VeoやSora専用の構文を使わない — Omniが一部を解釈できても、基本はOmni向けの対話形式に合わせます。
- 機材のブランド名で指定しない — 「shot on DJI Mavic Pro」などのカメラブランド名はOmniが解釈しません。代わりに動きを表す言葉を使います。
Avatar機能の必須条件
- 年齢:18歳以上
- 地域:公開時点ではEEA・スイス・英国で利用不可
- 言語:公開時点(2026年5月)では英語のみ
- 電子透かし:すべての動画の画素にGoogle SynthIDが埋め込まれ、無効にはできません。
- 参照用の録画:目・鼻・口がはっきり見えること。サングラス、マスク、顔を隠す帽子は着用せず、背景にほかの人の顔を入れないでください。
出典:Google Gemini Avatarのヘルプページ。
出典
- 公式:DeepMindのGemini Omniプロンプトガイド
- 公式発表:blog.googleの発表記事
- Avatarの詳細:Google Gemini Avatarヘルプ
- 実機検証:Atlas Cloudの機能解説
- 実機検証:PixVerseのモデルレビュー
- Avatarの実機検証:Chrome UnboxedのAvatar検証
- プロンプト実例:Medium — Gemini Omni Prompt Playbook
- 制限の検証:digit.inの実機レビュー
- モデルカード(公式):DeepMind — Gemini Omni Flash
- 料金改定:Google OneのAIサブスクリプション発表記事
- 利用枠の修正発表:9to5Googleの利用上限に関する記事
- 報告が続いている不具合のスレッド:Google AI Developers Forum #147152
最終更新:2026-05-29。Googleによる変更があるたびに記載内容を再確認し、このページを更新します。誤りや古い情報にお気づきの場合は、お知らせください。いただいたメールにはすべて目を通しています。