GEMINI OMNI PROMPTS

用語集 · 全32項目 · 出典付き

Gemini Omni用語集

Gemini Omni Flashのプロンプトを書くときに使う基本用語をまとめました。カメラの動き、質感の指定、対話による編集のパターン、Omni独自の構文、既知の失敗パターンを、DeepMindの公式ガイドまたはコミュニティの検証をもとに解説しています。

8項目

カメラの動きを表す動詞

Omniが文字どおりに解釈する動詞です。ショットリストのような専用の書式は必要ありません。カメラの動きを普通の英語で書けば、Omniがそのまま映像に反映します。

寄り(Push / Push in)
カメラが被写体に向かって前進します。

ドリーイン(dolly-in)と同じ動きです。Omniは "push in" / "punch in" / "slow push" を、被写体にピントを合わせたまま前進するカメラとして解釈します。勢いを出したいときは "fast push"、緊張感を高めたいときは "slow push" を使います。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

引き(Pull-back / Pull-up / Pull-down)
カメラが被写体から遠ざかります。"up" / "down" を付けると上下の動きが加わります。

"Pull-back" は、後ろに下がりながら周囲の景色を少しずつ見せていきます。"Pull-up" は引きながら上昇する動きで、ドローンで撮ったような映像になります。風景や、全景を見せるショットの冒頭によく使われます。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

回り込み(Orbit / Sweep around / Circle)
カメラが被写体の周りを水平に回ります。

主役を印象的に見せるショット、商品紹介、360度ぐるりと見せる映像に向いています。"while subject stays still" を添えると、被写体を動かさずに固定できます。速さも指定しましょう("slow orbit"、"fast sweep")。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

パン・ティルト(Pan / Vertical pan)
固定した位置から、カメラの向きを左右(または上下)に振ります。

フォロー撮影(tracking)とは違い、カメラ自体は移動せず、向きだけが変わります。上下に振る動き(日本語でいうティルト)は、プロンプトでは "vertical pan" と書きます。"Pan left to right" / "vertical pan upward" のように指定し、動きのない場面を見渡すときに使います。

カメラ固定(Static / Locked off / Oner)
カメラは動かず、被写体が画面の中を動きます。

"Locked off" と "static" は同じ意味です。"Oner" は、途中で途切れない1テイクの長回しを指します。被写体の動きや演出で見せるショットに使います。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

ドリーズーム(Dolly zoom)
カメラを前進させながらズームアウトする(またはその逆の)撮り方です。ヒッチコックの『めまい』で知られる効果です。

被写体の大きさは変わらないまま、背景だけがゆがんで見えます。物語の中で強い意味を持つ演出なので、多用は禁物です。大げさになりすぎないよう、"subtle dolly zoom" と指定するのがおすすめです。

隠れた景色を見せる(Reveal / Ascend revealing)
見えていなかった部分を、カメラの動きで見せていく撮り方です。

"Pull-back and rotate revealing X" / "ascend revealing the city below" のように書きます。Omniは "reveal" を単なる動きではなく「何を見せるか」という意図として受け取るため、最後に映す対象をはっきり書くことが大切です。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

フォロー・横移動(Tracking / Side tracking)
動く被写体と並んで、カメラも移動します。

歩く人、走る人、乗り物を追いかけるときに使います。"Side tracking" は被写体の左右どちらかの側面から追いかけます。ぶれのない映像にしたいなら "smooth tracking"、手持ちらしい自然な揺れを出したいなら "handheld tracking" と指定します。

5項目

質感・撮影スタイルの指定

カメラや撮影機材の特徴を表す言葉として扱われます。Omniは指定した「レンズの味」を、粒子感、色味、レンズのゆがみとして映像に反映します。

スマホらしい自然なズーム(Natural smartphone zoom)
スマートフォンのカメラ特有の、少し柔らかくデジタル感のあるズームです。

映画のような作り込みより、飾らない雰囲気を出したい商品やライフスタイルの映像に向いています。"vertical 9:16" と組み合わせると効果的です。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

フィルムカメラ風(Film camera:暖かい色味・わずかな粒子)
フィルムらしい質感を加えます。暖色寄りの色かぶり、細かな粒子、柔らかなハイライトが特徴です。

映画風の映像、物語のある映像、主役を見せるショットに向いています。粒子を粗くしたいなら "16mm film"、すっきりした画にしたいなら "35mm film" と指定します。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

ウェブカメラ風(Webcam style)
ノートPCのカメラのような、圧縮感があって少し甘い画質になります。

ビデオ通話を再現した映像や、人物がカメラに向かって話す映像に便利です。"looking at camera" と組み合わせると、自然に目線が合います。

手持ち撮影(Handheld:細かく自然な揺れ)
人がカメラを持って撮ったような、わずかな揺れを加えます。

ドキュメンタリーらしさや、その場で撮っているような臨場感を出したいときに使います。揺れを最小限にしたいなら "stabilized handheld"、激しく揺らしたいなら "shaky handheld" と指定します。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

ワンカット・長回し(One continuous shot)
編集なし、カットなし。Omniはこれを必ず守る条件として扱います。

この言い回しを冒頭の1文に入れるのは、最も効果の大きいテクニックの1つです。Omniはこの指定を厳密に守ります。指定した長さを持たせるために、被写体の動きとカメラの動きを表す動詞も組み合わせましょう。

出典: Medium — Gemini Omni Prompt Playbook

4項目

画面比率と長さ

Omniが画面の形、時間、出力形式をどう読み取るかをまとめました。いずれも冒頭の1文で指定します。

16:9 — 映画風・標準
映画のような横長画面の基本形です。主役のショット、風景、物語のある映像に最適です。

雰囲気重視の映像なら8〜10秒と組み合わせます。YouTubeの通常の長尺動画も、多くは16:9です。

9:16 — 縦長・ショート動画
Reels、TikTok、YouTube Shorts向けです。被写体を画面いっぱいに収めましょう。

5〜7秒と組み合わせます。16:9よりも、被写体をどう画面に収めるかが仕上がりを左右します。

1:1 — 正方形・SNS向け
Instagramのフィード投稿や、商品を主役にしたショット向けです。

5〜8秒と組み合わせます。商品紹介や、スローモーションで見せ場を強調するショットに向いています。

10秒の上限(Gemini Omni Flash)
Omni Flashでは、1本のクリップを10秒より長く生成できません。

それより長い動画は、対話による編集やFlowのワークスペースで複数のクリップをつないで作ります。長さは冒頭の1文で指定しましょう。Omniはその指定を守ります。

出典: TechCrunchの公開時の記事 ↗

4項目

対話による編集

指示を重ねながら動画を仕上げていく、Omniの看板機能です。ここで紹介する言い回しは、編集を重ねても映像の一貫性を保つためのものです。

対話による連続編集(Conversational editing chain)
生成した同じ動画に、追加の指示を重ねて仕上げていく流れです。例:"now change X, keep Y identical"。

VeoやSoraとの大きな違いがここにあります。編集はゼロから作り直すのではなく、同じシーンの文脈を保ったまま反映されます。各ターンは直前の映像の状態を引き継ぐため、指示の順番が重要です。

出典: Atlas Cloud — 対話による動画編集 ↗

「Keep X identical」で固定する
追加の指示を出すたびに、変えてはいけない要素を明記する言い回しです。これがないと、Omniはシーン全体の見た目を変えてしまいます。

基本形は [Change instruction]. Keep [X, Y, Z] exactly the same. です。複数ターンの編集で、最も効果の大きい習慣とされています。

出典: Atlas Cloudの機能解説

動作をきっかけにした変化(Trigger pattern)
1本のクリップの中で、ある動作をきっかけに変化を起こす書き方です。例:"When [action], [transformation]"。

腕の鏡面化、泡の彫刻、折り紙の船など、話題になったGoogleのデモで使われています。基本形は [Base scene]. When [specific trigger action], [specific transformation]. Keep [list] identical. です。

出典: DeepMind公式プロンプトガイド

複数ターンでの一貫性スコア(3/5)
Atlas Cloudが4カット以上の編集で確認した、人物の一貫性のスコアです。4カット目を過ぎると見た目がずれ始めます。

1〜3カット目は、参照画像と @character_name を併用すると最も安定します。4カット目以降は、はっきりしたずれが出るものと考えておきましょう。

出典: Atlas Cloudの複数ターン一貫性レビュー ↗

6項目

Gemini Omni独自の構文

Veo、Sora、Runwayにはない、Omni独自の記法と機能です。ほかのモデルでは使えません。

@usernameによる呼び出し(Avatar)
@your_username という専用の記法で、あらかじめ録画した本人の映像を生成動画に登場させます。

Avatar機能と連動しています。18歳以上であること、本人確認、条件を満たした参照用の録画(目・鼻・口がはっきり見え、サングラスやマスクを着けていないこと)が必要です。公開時点では、EEA・スイス・英国では利用できません。

出典: Google Gemini Avatarヘルプ ↗

Avatar機能
@usernameを使って、自分の顔と声を生成動画に登場させられる機能です。

すべての動画にSynthIDの電子透かしが画素レベルで埋め込まれ、無効にはできません。公開時点(2026年5月)では英語のみの対応です。Chrome Unboxedの実機レビューでは、口の動きと細かな表情の再現が驚くほど正確だったと報告されています。

出典: Chrome Unboxedの実機レビュー

使い回せるキャラクター(@character_name)
参照画像に結び付けた名前付きのキャラクターで、複数のプロンプトで使い回せます。

@usernameとは別物で、自分以外の人物に使います。最も安定するのは最初の3カットまでです。keep [character] identical と組み合わせると、見た目をよりしっかり固定できます。

出典: Medium — Gemini Omni Prompt Playbook

SynthID電子透かし
Omniで生成したすべての動画に埋め込まれる、目に見えない画素レベルの識別情報です。

無効にはできません。圧縮、形式の変換、軽い編集を加えても残ります。AIが生成したコンテンツの識別に使われ、特にAvatar機能ではGoogleが必須としています。

出典: Google Gemini Avatarヘルプ

Gemini Omni Flash
最初に一般公開されたOmniモデルです。高速版で、1本のクリップは最大10秒です。

Geminiアプリ(有料のAI Plus / Pro / Ultra)とGoogle Flowで使え、YouTube Shorts / Createでは無料で利用できます。より大規模で処理の重いOmniも、今後登場する見込みです。

出典: Googleブログ — Gemini Omniの発表

Google Flow
Omniで生成したクリップをつないで長い映像にできる、Googleの本格的な編集ワークスペースです。

複数のクリップからなる作品は、ここで組み立てます。クリップをつなげば、1本10秒の上限にしばられずに済みます。

5項目

失敗しやすいパターン(事前に知っておきたいこと)

コミュニティの実機検証で確認された、Omniの弱点です。こうした失敗が起きにくいように、プロンプトを組み立てましょう。

文字の描写崩れ
画面内の文字、ラベル、看板、ブランドロゴは、Omniの出力では崩れてしまいます。

プロンプトで文字の重ね表示には触れないようにしましょう。どうしても文字が必要な場合は、文字化けするものと考えておきます。複数のレビューで確認されています。

出典: PixVerseの実機レビュー ↗

手指の動きの崩れ
物を握る、タイピングする、手話をするなど、手指の細かな動きが崩れます。

手のアップを避ける構図にするか、多少の不自然さは割り切りましょう。楽器や工具など、形の複雑な物を持たせるとさらに崩れやすくなります。

複数カットでの一貫性の限界
対話による連続編集では、4カット目を過ぎると人物の見た目がずれてきます。

作品は4カット以下の単位で計画しましょう。人物の見た目は @character_name で固定し、4カット目以降は生成し直す前提で考えておきます。

出典: Atlas Cloudの複数ターンレビュー

プロンプトの長さの目安(約50語)
約50語を超えるプロンプトは焦点がぼやけ、出力の質が下がります。

具体的に、かつ簡潔に書きましょう。長くなってきたら、ベースになるシーンと、トリガーや「Keep identical」を使った追加の指示に分けます。

出典: Seaartの分析 ↗

作品名・ブランド名のリスク
著作権のあるキャラクターやブランド名を出すと、生成を止められたり、法的な問題につながったりするおそれがあります。

"Studio Ghibli style" ではなく "hand-painted watercolor animation" を使いましょう。"shot on DJI Mavic Pro" のような指定も避けます。Omniはカメラのブランド名を解釈しないため、動きを表す動詞で伝えます。