ブログ / 5分で読めます · 2026-05-24
Gemini Omniの動画プロンプトで通じるカメラ用語集 — カメラワークの動詞、レンズ表現、避けたい書き方
Gemini Omniが正しく読み取れるカメラワークの動詞と、レンズやフィルムの質感を指定する表現を一覧にしました。カメラ用語に見えて実は効かない、ブランド名などの落とし穴も解説します。
Gemini Omniの解説記事の多くは「良いプロンプト例」を並べるだけで、モデルが実際に読み取っている言葉と、ただの飾りになっている言葉を区別していません。この記事では、Omniが確実に解釈するカメラ用語を、働きごとに分類して紹介します。
Omniを初めて使う方は、先にガイドにあるプロンプトの基本の型を読んでから、この動詞リストに戻ってきてください。
カメラワークを表す6つの動詞グループ
Omniのプロンプトガイドでは、カメラの動きを表す動詞を次の6つのグループに分けています。どれも決まった動きに対応していて、安定して再現されます。
寄り(Push):被写体に近づく
push in/slow push/fast push— カメラごと前に進むドリーイン(dolly-in)に相当punch in— よりすばやく、鋭い寄りdolly zoom— 前進しながらズームアウトする、ヒッチコックの「めまいショット」の効果
向いている場面:緊張感を高めたいとき、被写体を際立たせたいとき、親密な空気を出したいとき。被写体には何もさせず、動きはカメラに任せるのがコツです。
引き(Pull):被写体から離れる
pull-back/slow pull-back— 引き/ゆっくりした引きpull-up— 引きながら上昇する(ドローン空撮で全景を見せる動き)pull-down— 引きながら下降する
向いている場面:周囲の状況を見せたいとき、シーンの導入、親密な雰囲気から広がりのある雰囲気へ切り替えたいとき。
隠れていたものを見せる(Reveal)
ascend revealing the city below— 上昇して眼下の街を見せるpull-back and rotate revealing X— 引きながら回り込み、Xを見せるtilt up revealing the spire— ティルトアップして尖塔を見せる
単なる引きとの違いは、revealing のあとに何を置くかが構文の要になる点です。何を見せたいのかを具体的に書くほど、狙いどおりの結果になります。
被写体の周りを回る(Orbit)
orbit around/slow orbit/360 orbitsweep aroundcircle the subject
向いている場面:商品のメインカット、登場人物の紹介、ドラマチックに全景を見せる場面。while subject stays still を組み合わせると、被写体を動かさずに固定できます。
パン(Pan):その場でカメラの向きを振る
pan left to right/pan right to left— 左から右へ/右から左へパンvertical pan upward/vertical pan downward— 上下方向のパン(日本語でいうティルト)
移動撮影(tracking shot)との決定的な違いは、パンはカメラの向きを変えるだけで、カメラ自体は移動しないことです。動きのない場面を見渡すときに使います。
フィックス(Static):カメラを動かさない
static shot/locked off/fixed camera— カメラを固定したショットoner— 長回しのワンカットを意味するone continuous shot— 「カットを入れない」とはっきり伝える指示
被写体の動きや演出だけで画が成立するときに使います。特に one continuous shot(長回し・ワンカット)はOmniでとても効き目の大きい表現で、ゆるい希望ではなく、必ず守る条件として扱われます。
Omniが再現できる映像スタイルの指定
ここで挙げるのはカメラの動きではなく、どんな機材や媒体で撮った映像に見せるかを指定する表現です。
natural smartphone zoom— ややソフトな、デジタルらしい質感film camera, warm, slight grain— フィルムらしい質感16mm film— 粒子が粗めで、懐かしい色味35mm film— よりクリーンな、映画のような画webcam style— 圧縮感があり、少しぼやけた画(ビデオ通話のイメージ映像に向く)handheld, micro-jitter, organic— 人が持って撮ったような自然な揺れstabilized handheld— 手ブレを最小限に抑えた手持ち撮影shaky handheld— 激しい手ブレ、ファウンドフッテージ風
スタイルの指定1つと、カメラワークの動詞1つを組み合わせるのが基本です。“16mm film, handheld, dolly zoom, anamorphic flare” のように詰め込むと、狙いがぼやけます。
画面比率と尺は冒頭で固定する
これらはプロンプトの最初の1文で指定して固定します。
Create a [duration]-second [aspect-ratio] [genre] video in one continuous shot.
8-second 16:9— 映画風の標準的な横長5-second 9:16— Reels / Shorts / TikTok向けの縦長10-second 1:1— SNS向けの正方形(10秒はOmniの最大尺)8-second 2.39:1— アナモルフィックのシネスコサイズ
冒頭で指定すれば、Omniはこれらを厳密に守ります。メタデータに入れたり、プロンプトの末尾に付け足したりすると、守られないことが増えます。
書いても効かない表現
以下はカメラ用語のように見えますが、Omniでは実際には何の効果もありません。
カメラのブランド名
shot on DJI Mavic Pro❌RED Komodo footage❌BMPCC 6K Pro❌
Omniは機材のブランド名を読み取りません。代わりにカメラワークの動詞とスタイルの指定を使ってください。“shot on DJI Mavic 3 Cine” と書くより、“Drone-style aerial pull-up over the cliff” と書くほうが、毎回確実によい結果になります。
形容詞の羅列
cinematic dramatic moody atmospheric epic stunning beautiful breathtaking❌
DeepMindのプロンプトガイドも、Omniは「Veoほど細かく指定する必要はない」と明言しています。形容詞を並べるより、映画らしさの手がかりを1つだけはっきり書いた自然な文章のほうがうまくいきます。
他社の知的財産にひも付くスタイル名
Studio Ghibli style✗ — 他社の商標のため、モデルはこうした指定を断るように作られていますPixar 3D animation style✗ — 同上
代わりに、画材や表現手法で指定します。たとえば hand-painted watercolor animation や 3D animated, soft rim lighting, warm palette です。同じ方向性の見た目を狙えて、法的なリスクもありません。
50語を超えるプロンプト
Seaartの分析によると、プロンプトが英語で約50語を超えると焦点がぼやけます。具体的に、かつ簡潔に書きましょう。長くなってきたら、ベースのシーンと、トリガーパターンを使った追加指示の2ターンに分けてください。
そのまま使えるプロンプト例
Create an 8-second 16:9 cinematic video in one continuous shot.
A woman in a red coat walks through a snowy Tokyo alley at night.
Slow handheld tracking from her side. 35mm film, warm tungsten lighting from windows.
このプロンプトからは、8秒の尺 ✓、16:9の画面比率 ✓、長回し(one continuous shot)✓、被写体 ✓、動作 ✓、場所 ✓、時間帯 ✓、カメラワークの動詞(移動撮影を表す tracking)✓、スタイルの指定(35mm film)✓、照明 ✓がすべて読み取られます。50語未満で、ブランド名も形容詞の羅列もありません。
Omniで安定して狙いどおりの映像が出るのは、こういう形のプロンプトです。
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